放射線科・放射線部

放射線科(診断部門)・放射線部(検査部門)の紹介

乳腺疾患のみならず、全身様々な部位の画像検査や画像診断を行っている診療科・部門です。大学病院としての役割を果たすため、最新機器を整備するように努め、最新の画像解析法を積極的に取り入れています。

当院では、日本乳がん検診精度管理中央機構の認定するマンモグラフィ読影医師、マンモグラフィ撮影技師を複数名配置し、診療を行っております。

乳腺画像診断

対象は主に乳がんです。マンモグラフィ、超音波検査を基本として、乳房MRIでがんの広がり診断を、CTやPET-CTを始めとする核医学検査で病期診断を行っています。当院ではこれらすべての画像検査を施行可能で、それぞれの長所を生かした質の高い診断を行うことを心がけています。

【マンモグラフィ】

乳房のX線撮影のことです。乳がん検診で広く行われている検査で、乳房の症状があり受診された場合もまず行う検査です。乳がんの初期症状のひとつである微細な石灰化や触診では分かりにくい小さなしこりを確認できます。

乳房をできるだけ引き出して、圧迫板という薄い板で乳房を押さえて撮影します。そのために多少の痛みを伴うことがありますが、診断しやすい写真が撮影でき、かつ被ばく量も減らすことができますので、検査の際はご理解、ご協力お願いします。

当院のマンモグラフィ装置はトモシンセシス(3Dマンモグラフィ)にも対応しています。トモシンセシスとは、乳房を複数方向から撮影して薄いスライス画像に再構成する技術のことです。従来のマンモグラフィと比較して、乳腺の重なり分離して、病変が鮮明に見えるようになります。

【乳房超音波検査】

乳房に超音波を当て、その反射波を利用して画像をつくります。乳房内にしこりがあるかどうかの診断に有効です。特に40歳未満の女性の場合は乳腺の量が多く、マンモグラフィではいわゆる高濃度乳房になり、しこりがあるかどうかが分かりにくい場合があります。そのような場合でも、超音波検査ではしこりの診断をすることができます。しかし、微細な石灰化の検出はマンモグラフィより劣ります。よって精密検査においては、通常マンモグラフィと超音波検査の両方の検査を行います。

【乳房MRI】

強力な磁石と電波を使って体の中を映し出す検査です。放射線は利用しませんので、被ばくはありません。検査時間は約30分です。大きな音が聞こえますが、痛みはありません。

乳房MRIは、乳がんであると判明した場合にその広がりを確認するために行うことが多いですが、マンモグラフィや超音波検査では病変の診断が難しい場合などに、乳がんかそうでないかを判断するために行うこともあります。

*検査にあたっての注意点

  • MRIは強力な磁石でできた医療機器であり、金属の持込みには厳重な注意が必要です。手術やけがにより体内に金属がある場合には、事前に内容の確認が必要です。MRI非対応の金属の場合は検査できません。
  • 小さなトンネルのような筒の中に入りますので、狭い所が苦手な方は検査ができない場合があります。そのような方は事前に申し出るようお願いします。
  • 撮影時間が長いですが、体の動きは写真に悪影響を及ぼしますので、検査中は動かないようお願いします。安静保持できない方は検査ができない場合があります。
  • 乳房MRIは原則として造影剤(検査用の薬)を使用します。造影剤使用のための注意事項がありますので、事前に主治医、スタッフより説明があります。

 

放射線科・放射線部スタッフ一同、患者さまに安心・安全な検査を提供できるよう心がけております。何かご不明な点や不安なことがございましたら、部内スタッフに遠慮なくお声掛けください。