【診療科名】

腫瘍内科(Department of Medical Oncology)

【診療科長氏名】

田村研治

【腫瘍内科の診療スローガン】

がん患者さんとともに
~最新の治療を
~最善の治療を

【診療科紹介(診療の内容など)】

「腫瘍内科」は、薬物治療(内分泌療法、従来型抗がん薬、分子標的薬、免疫療法、ゲノム医療など)の専門家としてがん治療を行っています。特に、乳がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん、肉腫、希少がん、原発不明がんなど、多くのがん患者の薬物治療を行っています。又、他診療科との連携の中で「集学的治療」を進めています。2024年度からは、「乳腺センター」や「皮膚がん治療センター」に属する部署として、乳がん患者及び皮膚がん患者の薬物治療にも力を入れています。
がん治療においては、「根拠に基づく医療」:EBM(Evidence Based Medicine)を大切にしています。コンパニオン診断薬などを用いて「個別化医療」を促進し、抗がん剤の治療効果を上げると同時に、副作用のマネジメントを適正に行うことを目標とします。一方で、患者さんの治療の自己決定権を尊重し、がん治療中の生活の質:QOL(Quality of Life)の維持、向上を目指します。
他院で診療をうけている患者さんを対象に「がんセカンドオピニオン外来」を行っています。又、複数の診療科、 医療スタッフと治療方針について検討する「キャンサーボー ド」を主催しています。看護師、薬剤師、社会福祉士、緩和ケアチームとも定期的に患者さんの治療について情報共有し、「チーム医療」を 推進することで、よりよいがん治療を提供できるように心がけています。
又、企業治験、医師主導治験、臨床試験などを積極的に行い、次世代のがん治療の開発にも積極的に取り組んでいます。 

【診療科長からの挨拶】

がんに特異的な遺伝子変異やタンパク質発現を標的とする「分子標的薬」が、2000年以降次々と開発されています。分子標的薬の効果は、がん細胞の特定の遺伝子の状況により大きく異なるため、治療前にこれらを調べることが日常的に行われるようになりました。個々のがん患者さんから採取したがん細胞を用いて、特定の遺伝子変異やタンパク発現量を調べることにより、最適な治療方針を決定する「=個別化医療」は、今後も進んでいくでしょう。
又、次世代シーケンサ―という新しい技術革新により、200~500個のがん関連遺伝子異常を、一度に、迅速に、又、網羅的に測定すること(=がん遺伝子パネル)が可能となりました。これまでは、がんの種類と進行度に応じて、推奨される治療を画一的に決定していましたが、これに、がん患者ごとのゲノム異常の情報を組み合わせて、より効果の高い治療を選択する、「がんゲノム医療」が主流になりつつあります。
昨今、「免疫チェックポイント阻害薬」や「抗体薬物複合体」など、新しい作用機序の画期的な分子標的薬が登場しています。これらの薬剤は、多くの種類のがんに有効でありますが、その副作用には非常に重篤なものもあり、そのマネジメントには専門的な知識と経験が必要です。
このように、がんに対する薬物治療を行うには、がんに関する基礎医学、分子生物学や臨床薬理学の知識、内科医としての総合力を持ち、臓器横断的にがん薬物治療を修得した専門医が必要となってきています。「腫瘍内科医」は、今後のがん治療に欠かせない魅力的な医師といえるでしょう。一緒に、がん患者さんに貢献できる医師を目指しましょう。

【連絡先】