放射線治療科

放射線治療科は、全身のあらゆる悪性腫瘍(がん)に対して放射線を用いて治療を行う診療科です。そのため放射線腫瘍医は全身のがんに精通しています。

当院で放射線治療をお受けになる患者さんは、年間約450名ですが、そのうちの15-20%は乳癌の患者様であり、肺癌と乳癌が最も多い内訳となっています。

乳癌の治療は、以前は乳房をすべて摘出する全摘術が主体でしたが、現在は小さく手術して、その後に残存乳房に放射線治療を行う治療法が主流になっており、放射線治療は乳癌の治療にかかせないツールとなっています。

また乳房全摘術後であってもリンパ節転移がみられた場合は術後に放射線治療を行うこともあります。

残念ながら乳癌が骨や脳などに転移した場合でも、放射線治療は症状の緩和や治療の一環としてお役に立てることができます。

当院では現在2台の高性能な放射線治療機器を有しております。これらを駆使して、痛みを取る緩和治療から、高精度のピンポイント照射まで、病状や患者様の状態などに応じたきめ細かな放射線治療を行うことができます。

島根大学医学部附属病院放射線治療科では乳腺センターや乳腺内分泌外科、腫瘍内科などと協力しながら集学的な治療を推進し、患者さんにとってベストな治療を一緒に考えていきます。

放射線治療についてお聞きになりたい場合は、まずは主治医にご相談してください。

放射線治療科 診療科長 玉置幸久